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研究活動報告
「正信念仏偈」研究会
 『親鸞仏教センター通信』第71号に研究会報告の第1回を発表してから半年ほどが過ぎ、研究会では偈文中に説かれる「十二光」の箇所の検討に入ろうとしている。若干、進行が遅く心許ないが、偈文という形式のなかで精錬された言葉だけに確認しなければならない事柄も多い。今回は前回に続けるかたちで、偈そのものを読む前に親鸞が「七高僧」という方々をどのように捉えていたのかを私考し、報告しておきたい。

「正信念仏偈」研究会報告②
 親鸞にとって七高僧とは

親鸞仏教センター研究員
東 真行
 親鸞の主著『顕浄土真実教行証文類』の「行文類」末尾に記される偈文「正信念仏偈」(「正信偈」)は蓮如の開版以降、勤行に用いられることが定着し、真宗門徒のなかで殊に大切にされてきた。
 内容はおおまかに前半の依経段、後半の依釈段に分かれるとされ、前半では『無量寿経』に説かれる法蔵菩薩が誓願を成就して阿弥陀仏となるという物語が、後半ではその教法を伝えた高僧たちにおける、親鸞が発揮の説と受けとめる教示がそれぞれ讃嘆される構成となっている。

 前半の依経段で「如来、世に興出したまうゆえは、ただ弥陀本願海を説かんとなり」といわれるように、親鸞にとっての釈尊は阿弥陀仏を説きたまえる釈尊である。後半部の依釈段では、親鸞にまでその教えを伝えた七人の高僧たちがインド・中国・日本の順に登場し、これらの高僧たちもまた「顕大聖興世正意」とうたわれ、まさしく如来が世に誕生した意、すなわち阿弥陀仏の本願の教えの意を各々時代ごとに顕示した方々として讃嘆されるのである。
 つまり、依経段でいわれているのは釈尊誕生の所以は阿弥陀仏を説くことにあったという釈尊観であり、依釈段ではその釈尊と同じく阿弥陀仏の信仰に生きた高僧たちが讃嘆されているといえよう。いうなれば、親鸞が明らかにしようとしたのは、真宗の教法こそ釈尊が世に出でた本懐であり、その釈尊と同等の信仰が遠大な歴史を通して小国たる日本に生まれた自分にまで到り届いているという歓喜である。

「七高僧」といわれる高僧たちは生まれた国も時代も別とする七人でありながらも、単に別とされるのではない。『無量寿経』の釈尊と同じ信仰を生きた者として、釈尊と同等に「如来」であり、表現は異なれども釈尊と同じ意を生きた方々として讃えられている。そのことは、たとえば『高僧和讃』(『真宗聖典』489〜500頁)において顕著である。

 龍樹は「世尊はかねてときたまう」ごとく世にあらわれたのであり、天親は「唯仏与仏の知見」たる浄土の荘厳を論じ得たのであった。天親の論を註した曇鸞は龍樹と同様に「本師」と呼ばれ、釈尊と等しく称される。道綽もまた「本師」であり、善導は「世世に善導いでたまい」とうたわれるように、様々なすがたをあらわして世に教えを説き広めたのであった。
 源信は「われこれ故仏ぶつとあらわれて」と、かつて覚者であったことが讃嘆され、源空の本地は道綽とも善導とも和讃される。このように七高僧は国も時代も隔てつつ、釈尊と同じき信仰を顕にするために世に誕生した如来であり、重なり合う存在なのである。

 このようにして釈尊、そして七高僧とまったく同一の信仰をつたなき一介の凡夫が授かるのである。ここに親鸞が「正信偈」で讃嘆せざるを得ない経典とその論釈への歓喜がある。
 仏教徒にあるまじき者として、同門を斬首され流罪に処された親鸞がみずからを仏教徒として堂々と宣言し得たことは、この仏法興隆にある。その教えを聞く私たちは親鸞の姿勢に学ぶならば『無量寿経』を説きたまえる釈尊の淵源へと遡及しなくてはならないのだろう。極めて険しい道である。
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