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研究活動報告
公開講座 親鸞思想の解明
 連続講座「親鸞思想の解明」は、「浄土を求めさせたもの―『大無量寿経』を読む―」の第124回がビジョンセンター東京八重洲南口で、第125回と第126回が東京国際フォーラム(有楽町)で行われ、センター所長・本多弘之が問題提起をし、有識者と一般参加者の方々との間で活発な質疑応答がなされた。ここでは、先に行われた第122回から一部を紹介する。 (親鸞仏教センター嘱託研究員 越部 良一)
「浄土を求めさせたもの─『大無量寿経』を読む─」50

冥衆―見えざる存在の支え―

親鸞仏教センター所長 本多 弘之

 親鸞聖人は、真実信心には「冥衆護持の益」があるとおっしゃる。冥衆、それは見えない存在。我々は感覚器官で感じとれる内容を存在だと。特に現代はそういうふうになっておりますけれど、感じたり見えたりしない存在も存在としてあるのだと。言葉としては例えば神、神と言っても、いわゆるヨーロッパの神ではなくて、日本にあるような神々です。そういうものはこちらからは見えないけれども、向こうからは見ている存在として何か感じられる。亡くなっていった身近な人たちも又そうした存在です。その亡くなっていった見えざる存在がどこかで感じられる。そういう見えざる存在を冥衆という言葉で言おうとするわけです。

 現代ではもう生きている時だけが勝負だという感覚で、冥衆はあまり力をもたなくなってはいますけれど、そういう冥衆を感ずるということも、命の本質にはあるように思うのです。ある意味でそれは怖いのです。そういうものが何か祟たたるのではないか、罰を下してくるのではないかとか、日本人の宗教観というのは、そういう冥衆の祟りを畏れて祀ってみたり、そういうことがあったわけです。

 そういうものにおびえているのではなくて、むしろ冥衆に護ってもらって、こちらを見ている存在に、どうぞ許して欲しいと言える存在として我々が立ち直ることが、親鸞が教えようとした冥衆護持の利益なのです。だから否定してしまうのではなくて、あってもそれが自分にとっては護ってくれる存在として感じられるのだというように転じてゆくことが大事な智慧なのではないかと思うのです。そういう冥衆を否定したら、多分、人 間の生きる在り方が薄っぺらになってしまうと思うのです。

 ある先生が言っておられたのですけれど、その先生は古い村に住んでおられて、村の会議に出てみたら、その会議に出ている長老方は古くからそこに居るから、家の前の道はじいさんが作った道であったり、裏山に生えている杉の木は曾じいさんが植えた杉であったりというようなことで、自分が居るだけではなくて、先祖伝来、護られて生きている、そういう感覚が非常に強い。そうすると会議をするときに、単に個人で今自分はこう考えるというのではなくて、「やあ、そういうことはやっぱりじいさんが許さないぞ」と、そのようにものが発想されてくる。それが未来、次の世代に対しても今何をやっておくべきかという配慮にもなると。こういうことを言っておられて、面白いなと思ったことがあるのです。

 現代の都市文明はそういう命の歴史の感覚がまったく抜けてしまって、そういうものをむしろ排除する面が強い社会になっていますけれども、現在だけが勝負なのではない。見えざる存在が現在を支えている。過去もあり、未来もあるという中に今があるのだから、我々も見えざる存在になった時に未来の人々に何が残せるかというような発想をすべきではないか。こういうことが人生を大事にさせるのではないかと思うのです。
(文責:親鸞仏教センター)
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